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「ネアンデルタール人は私たちと交配した」を読みました

三浦しをんさんが朝日新聞によせた書評を読んで興味をもった「ネアンデルタール人は私たちと交配した」を早速入手して読んでみました。

思いの外と言っては失礼ですが、面白かった。DNAのシーケンシングの技術の発展はもちろんのこと、ライバルとの競争や、如何にして、現代人のDNAによる汚染を防ぐか、バクテリア等によるDNAの汚染の影響を除去するかなど技術的な内容もわかりやすく書かれており大変面白かったのですが、研究成果の信頼性を担保することが如何に重要かなど、研究者としての基本的な取り組み姿勢についても何度も言及されており、この点からもおすすめしたい一冊です。

『その実験を、最後の段階だけでなく最初から再現しなければならない。』
『別のラボで同じ結果が再現されることだ。』

など、大学生の頃、指導教官に指導された内容と全く同じで、今更ながら、良い先生に学んだと思いました。

本書の中にも、そういった厳格な手続きを踏まずに次々と発表された論文に本書の著者が苦労する様子が書かれています。

『研究室の学生やポスドクがよく言っていたが、PCRで驚くべき結果を出すのは簡単だが、それが正しいと証明するのは難しい。であるにもかかわらず、ひとたびその結果が公表されると、それが誤りで、混入によるものだと示すのは、なお難しいのである。』

きちんとした手続きを踏まずに発表された画期的な論文に世間が踊らされたのは、未だ記憶に新しいところです。研究者として、論文の信頼性を担保することの重要性を明らかにした点からも良書と言って良いのではないでしょうか。

かすかな疑問が残ったのは、原題の「NEANDERTHAL MAN: In Search of Lost Genomes」が、和訳本では「ネアンデルタール人は私たち交配した」となるのかという点ですが、こちらの方が、読者の興味を惹くのは間違いない訳で、仕方がないのかなとは思います。

(『』で括った部分は本書からの引用です。)
  1. 2015/08/25(火) 00:48:52|
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